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 (+5)+(-7)が中学1年の最初にある。教科書や参考書は文章で伝えなくてはならず(板書で伝える教師も多いので、同じ結果になることが多いのだが)、以下のような解き方が書いてある。
「異符号の2数の和は、2数の絶対値の差に絶対値の大きい方の符号をつける」
授業なら、これについて「(+5)+(-7)の5と7の大きい方から小さい方を引いて、大きい方の符号をつければ答えが出る」ともう少し丁寧に説明してくれるかもしれない。(数学の苦手な子は、“絶対値”という言葉を嫌うものである)
 数学のできない子は、このような“方法”で計算をしていく。確かにこうすれば正負の計算はできるのだが、できない子は日が経つと忘れてしまう。こんな方法なら、忘れるのが当然だと私は思う。そして解き方をもう一度復習する。こんなことを繰り返しているのが、できない子の勉強法である。できる子は上記のように習ったとしても、(+5)+(-7)の意味を考え、-2と答える。別に上記のやり方はウソではないので気にもしない。
 真面目な子も2つに分かれる。回数を増やすうちに真実が見えてくるタイプの子と、上記のやり方を完全に覚えてしまって問題を解く子である。後者のタイプは良い時は良いのだが、いつかはつっかえる。特に記憶力の良い女子ほど、この解き方で次から次へと覚えていき、小・中・高と上がっていく。その結果、徐々に数学から遠ざかってしまい、いったい大学受験の際にはどれくらいの人が残っているのだろう。知識を習うだけでは、できる子はでき、できない子はできないままである。

 

 
 

 1、2の計算は学校で習ったらしく完璧に出来るのだが、問題集に3がのっていたので解かせてみたら、めちゃくちゃな事をする。私としては信じられないので、じっと待つができない。その日は説明をして終え、後日4を解かせてみるが、まためちゃくちゃな事をする。この生徒はこれまで1つ1つ型を覚えて解いていたのであろう。本来掛け算の意味を考えて1、2を習ったならば3はその応用として(応用と思わない人も多いと思うが)できるはずのものである。更に後日5を解かせてみると、ようやく一人でできるようになり、お互いにホッとした。
 この生徒を見ていると、学校で習った事しかできないようだ。大変時間はかかるが、型の違うものもじっと待つことにより、この頃はどんな分野でも1人で解けるようになった。年齢に関係なく今の子は先生が解くのを真似ている人が多い。問題を基礎事項から自分で考えて解く習慣があまりにも少ないことがいけないと思う。


 

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