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数学の勉強について 生徒の思い出 個人指導を考える テキストについて

 
 思い出-1
 
 

 当塾に大学受験生として10年間通った生徒がいた。様々な予備校を経た後に来たのだが、初めて彼のノートを見た時、√2+√3=√5となっていたのを、いまだに忘れることができない。
 予備校でも塾でも大学受験問題を丁寧に説明し、どんな生徒にも「理解できる」と言っているが、全くの同一問題でもない限り、自分一人でできるためには、「理解できる」程度ではどうにもならない。数学ができるようになるためには、その人の「できるところ」へ戻り、そこから順にやっていくしかないのである。現在通っている小学5年の生徒は、一桁の足し算・引き算から危なかったので、小1から順にやり直し、小4まできた頃に学校のテストの成績が良くなり、学校の先生に褒められたそうだ。
 昨年は高3の生徒に、小3から順に小6までやり直した。これは彼女の父と本人が、高校卒業までにせめて小学校算数を使いこなしたいという願いからだった。
 確かに%も分からないで、大人になるのは良くないことだと思う。もちろん、この生徒すら高校の授業にはちゃんと出ていたのだから、授業が分かる分からないは、できるできないとは随分違うのだ。


 
 
思い出-2
 
 

 最近は大学生に高1から高3まで上手くやって、大学のテストの点をとらせるようなこともしている。何しろできるようになるには、できるところから順につめていかねばならないのだ。
 プロ野球の選手になりたいからといって、プロになる方法を聞いてノートに書き取っても、プロになれるわけはない。ひとつひとつステップを上がっていかなければならない。
 10年通った生徒の話に戻るが、7年目にようやく薬学部に合格したものの、仮面浪人をして、翌年私大の医学部の一次試験に合格。さらに翌年には、医学部一次試験の合格校が増え、最後の年には受験した医学部のほとんどの二次試験に合格した。
 経験で受かる世界ではなく、かえってそれが害になることもある。この生徒の良かったところは、自分を反省し、謙虚に立ち向かったところだと思う。最後には、よく考えることができるようになったと言ったことがある。大学入学後も、人一倍努力しているようだ。先日会った際、彼なりに将来活躍できる場があるのではないかと感じた。
 はっきり言って、人間には能力の差はあると思う。しかし諦めなければ、入試なら合格できると思っている。楽に合格できる人もいるが、人生においていつかはつっかえて苦しむのだ。早いか遅いかの差であって、大事なことは、つっかえた時にどうするかだ。
 彼に「私ならある程度で妥協して、近い道を考えるのだが・・・」と言ったことがある。合格後に「幸せか」と聞いたこともある。人それぞれ考え方の差だと思う。

 流れにそって、今こういう仕事をしている私である。

 
 
思い出-3
 

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