当塾に大学受験生として10年間通った生徒がいた。様々な予備校を経た後に来たのだが、初めて彼のノートを見た時、√2+√3=√5となっていたのを、いまだに忘れることができない。
予備校でも塾でも大学受験問題を丁寧に説明し、どんな生徒にも「理解できる」と言っているが、全くの同一問題でもない限り、自分一人でできるためには、「理解できる」程度ではどうにもならない。数学ができるようになるためには、その人の「できるところ」へ戻り、そこから順にやっていくしかないのである。現在通っている小学5年の生徒は、一桁の足し算・引き算から危なかったので、小1から順にやり直し、小4まできた頃に学校のテストの成績が良くなり、学校の先生に褒められたそうだ。
昨年は高3の生徒に、小3から順に小6までやり直した。これは彼女の父と本人が、高校卒業までにせめて小学校算数を使いこなしたいという願いからだった。
確かに%も分からないで、大人になるのは良くないことだと思う。もちろん、この生徒すら高校の授業にはちゃんと出ていたのだから、授業が分かる分からないは、できるできないとは随分違うのだ。
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